誰かの為に「点」と「点」を繋ぐ

誰かの為に「点」と「点」を繋ぐ

Clock Icon2016.12.31

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

提供する側に回りたい

自分が生まれてから今までにとても多くの素晴らしい製品やサービスに触れてきました。これらの製品やサービスには、利用者側のストーリーと同じように、提供者側のストーリーがあります、たぶん。そして、いつしかサービスを受ける側ではなく、提供する側に回りたいと思うようになりました。欲張りな私は、1社ではなく1000社のストーリーを見てみたい、製品やサービスに少しでも関わりたい、作者に会ってみたい、一緒に仕事したい、もっと広い世界を見てみたい、彼らの役に立ちたい、仲間を集めたいと思うようになりました。

omise_shop_tatemono

これらを実現するために、IT技術を使って事業会社を支援する企業を作り、同じ志を持つ仲間と協力をして、経験を積み始めました。そして、自分の興味ある情報を収集する中で、同じ悩みや興味を持っている仲間が出来て、コミュニティが出来上がりました。私の考えるコミュニティは、個人の内的な動機による活動であり、常に初心者を受け入れ、組織図や金銭があまり必要なく、ぐるっと回ってビジネスに繋がり、いつか誰かの役に立つと思って活動するものをイメージしています。そこで、いくつか振り返ってみたいと思います。

コミュニティ参加の振り返り

Ja-Jakartaプロジェクト

1つ目のコミュニティは、Ja-Jakartaプロジェクトです。テーマは「始める」です。(2002年頃) リーダーが居て、程よく管理されており、OSSの精神で仲良く、紳士的に活動されていました。私にとって憧れのエンジニアが多数居て夢のようでした。ある程度場馴れしたプロが多かった印象です。あるとき会社を作ることを報告したら「若者の勢いスゲーな」と笑顔で応援してくれました。いつかこの人達と一緒に仕事したいと思っていました。

川添さん、宮さん、敷矢さん、阿島さん、日置さん、日笠さん、芝山さんにお会いしたのはこの頃です。

http://www.jajakarta.org/site/whoweare.html

Flex User Group(FxUG)

2つ目のコミュニティは、Flex User Group(FxUG)です。テーマは「繋がる」です。(2005年頃) 海外の良い製品があるのに、日本の技術者や顧客はそれをよく知らない。知ってから導入するまで3年ぐらい掛かります。そんなに待ちたくありません。理由を聞いてみたら、事例が無いからとか、それを扱える技術者が居ないとか。「俺らが広める!」という気持ちで始めました。良い製品やサービスは、売り込むのではなく、使い倒して発信することで世界が広がります。勉強会に10人も集まらない回もありましたが、ほぼ全てにスピーカーとして参加していました。全国のリーダーがそれぞれの活動で緩く繋がっていました。

山本さん、有川さん、公門さん、舩倉さん、野呂さん、小島さん、轟さん、西村さん、伊藤さんにお会いしたのはこの頃です。

http://www.fxug.net/

AWS User Group - Japan(JAWS-UG)

3つ目のコミュニティは、AWS User Group - Japan(JAWS-UG)です。テーマは「支える」です。(2010年頃) インフラ機器が高くて買えなかったり、納品まで実機でテストできなかったりといった、サーバーやネットワーク機器に対する憧れや恐れが元々あったのですが、コマンド1つで直ぐに使えて夢が叶うためコミュニティに参加しました。ここでは、コミュニティ内で最も初心者であると思ったため、基本的に登壇せずに宴会場の手配に徹しました。宴会部長の誕生です。スピーカーと参加者が気持ちよく交流できる場を作ることがミッションであり、懇親会を安く抑えて黒字にすることに情熱を注いでいました。

竹下さん、得上さん、後藤さん、羽柴さん、大石さん、荒木さん、玉川さんにお会いしたのはこの頃です。

https://jaws-ug.jp/

この頃のモヤモヤは、自分がコレだと思った技術やサービスについて、あまり社内が乗り気ではなかったことです。 当時のクラスメソッドは、システムの設計や開発をしたとしても、インフラの設計や運用は含まれていませんでした。 どうしても諦めきれず、モヤモヤを解消する手段として、ブログの数を増やしました。これが後のDevelopers.IOです。 また、自分で勝手に1人部署(+協力者の福田さん)を作りゼロからビジネスを始めました。

この後に続けてJOINしてくれたのが、都元さん、植木さん、大瀧さんです。

Developers.IO

4つ目のコミュニティは、Developers.IOです。テーマは「誰かのために」です。(2011年頃) これは今までの異なる手法となりました。今まで学んだことは個人ブログにメモ程度に書く程度だったのですが、自分が実際に調べたことを詳細に「やってみた系」として、全て記載するようにしました。また、自社の社員全員で学んだことを書き続ければ、集合知として多くの人の役に立つのではと思いました。今では月間30万人程度訪れてくれるサイトに成長しました。

https://dev.classmethod.jp/

SS 2016-12-31 23.50.37

何故その仕事をしているのか?

Developers.IOを始めるにあたり、クラスメソッドの企業理念「全ての人びとの創造活動に貢献し続ける」が強く反映されています。例えば、ブログを書く理由が、業務指示やお金のためでは長くは続きません。自分への備忘録だとハイコンテキストで抜け漏れが多いメモ書きになるかもしれません。同僚やお客様へのメッセージとして書いている人の文章は心遣いがあり、これから学ぶ誰かのための文章には優しさが詰まっています。誰かのために書き続けることが企業理念に繋がり、ビジョン実現に向けた確実な一歩だと思っています。

building_kaisya_small

昔先輩に聞いたドラッガーの石工職人の話を思い出しました。同じ職場で働く何人かの石工がいます。旅人が「なぜその仕事をしているのか?」を問うと、1人目は生活のためにお金を稼いでいると言い(ワーカー)、2人目はこの道を極めている最中だと言い(プロフェッショナル)、3人目はみんなが祈りを捧げる教会を作っていると言います(リーダー)。

Sagrada Família

他にも勝手に後付けすると、4人目はこの仕事が好きで心の拠り所だと言い(ライフワーカー)、5人目は本当はこんな仕事なんかやりたくないと言い(アウトサイダー)、6人目はこの素晴らしい仕事を世の中に広めたいと言い(エヴァンジェリスト)、7人目はみんなが気持ちよく働ける場を作っていると言い(マネージャー)、8人目は美しい石像を作りたいと言い(アーティスト)、9人目は様々な改善や工夫をして効率化をしていると言い(デザイナー)、10人目は鉄やプラスチックで家や馬車を作れないか考えていると言い(イノベーター)、11人目は何故働く必要があるのか考えていると言います。。。。続く

「点」と「点」を後で繋げる。

私は行き当たりばったりで直感で生きていますが、振り返ると計画的で一貫性があるように見えなくもありません。 これは、私が自分の歴史を美化していて、振り返るとこうだったのかもしれないというフィードバックの連続の中で作られています。

例えば、私の原点は小学校5年生のときに全員にジャンケンで負けて学級委員になったところまで遡ります。意図せずリーダーになってしまい、その後、それらしい立ち位置が続いてしまいました。あのとき拒否せずに受け入れて自分なりに最善を尽くしたことが今の自分に繋がっていると思っています。小学生のときサッカーで足の怪我をしてバドミントンを始め、たまたま部活の顧問がパソコンオタクで自分の将来の職業を決め、たまたま母校でコーチになって人材育成の楽しさを知り、たまたま大学の掲示板で見た接客販売のバイトでマーケや店舗の現場を知り、たまたま先輩の手伝いでベンチャーを経験し、たまたま卒業後にフリーの講師になり、気がついたら起業していました。全てのアクションは独立した「点」であり、そのときには何も関連を見出だせなかった「点」が、後から振り返ったら線として繋がり、経験や知識といった面になって、「おまえは得た力を誰の為に活かすんだ?」と問われているようです。

scrapbook

まとめ

2016年Developers.IOをご覧頂きましてありがとうございました。現在8600本以上の記事が公開されています。2017年6月には、1万本の記事数に到達する見込みです。この記事が誰かの「点」のきっかけになることを願いまして、今後も書き続けたいと思います。 2017年もよろしくお願い致します。

SS 2016-12-31 23.32.25

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.